症状案内
首肩の痛みについて
首や肩のこりは多くの人が抱え、多くの人があきらめてしまう症状です。 筋肉や腱、靱帯といったいわゆるスジを傷めたことから少しずつ悪化していくことが多く、おおよそ次のようなサイクルで進行していきます。
①筋肉の緊張
ケガによる痛み、同じ動作や姿勢を続けることなどで筋肉はかたく緊張してしまいます。
②血管の圧迫
筋肉の緊張が続くと筋肉の中を通る血管が圧迫され始めます。
③老廃物の生成、蓄積
管の圧迫が続くと筋肉に必要な酸素が十分にいきわたらなくなります。その結果、筋肉の中で栄養と酸素が不完全燃焼を起こし老廃物がたまっていきます。
④老廃物による神経の刺激
乳酸などの老廃物はたくさんたまってくると筋肉や末梢神経を刺激します。
⑤刺激情報の脳への伝達
その刺激は脳に送られ、脳で痛みとして認識されます。
⑥痛みによって起きる筋肉の緊張
脳が痛みを認識すると、その反射で筋肉や血管は収縮してしまいます。
これによってさらに筋肉の緊張が強くなり、1~6をくり返すことになってしまいます。この悪いサイクルを断ち切るために、当院ではマッサージやストレッチを施し、運動や姿勢、日常生活の注意点などを指導いたします。
腰痛について
ギックリ腰のような突発的なものから、いつも気になる慢性的なものまで、腰の痛みには多くの人が悩まされています。人はその昔、二足歩行になり、四足歩行の時にはかからなかった体重が腰に垂直方向にかかり、重心などをコントロールするのにとても複雑で負担の大きい仕組みになってしまいました。
腰痛の症状も様々で痛みが長引くと「原因は何だろう?」と不安を覚える方も多く見られます。腰の動きや腰痛のメカニズムが複雑で現代医学をもってしても腰痛のすべてが解明されているわけではありません。 しかし一般的には大きく分けると次のようなタイプになるといわれています。
①背骨や筋肉・スジの異常で起こる腰痛
動いたり、体重がかかったりする等一定の動作で痛み、安静にすると和らぐ。このような場合は、背骨や骨盤などの骨やその周囲の筋肉・スジに異常があると考えられます。腰痛のなかで最も多いタイプです。
②内臓疾患による腰
じっとしていても痛い(Rest Pain)、血尿や腹痛を伴う、などの場合は内臓疾患がかくれている可能性があります。 内臓の炎症性疾患、結石、腹部大動脈瘤、婦人科系疾患、腹部や腰部の腫瘍などが考えられます。 原因疾患の治療が必要となります。安静にしていても痛みが持続し、だんだん強まるような場合は注意が必要です。
③精神的なものによる腰痛
内臓疾患でもなく背骨にも異常がない、痛み方や痛む場所もよく変わる、というような場合は、精神的なものが原因である可能性もあります。 ストレスや心身症、うつ病などが関係するといわれています。
膝痛について
どの部分の痛みにも言えることですが、一口に「ひざが痛い」と言ってもその症状は人それぞれです。とくに膝痛でいらっしゃる患者様に多いのですが、お友達から「私は○○(散歩というケースが多い)したら治ったわよ。」と聞いて「じゃあ私も・・・」と○○をはじめたら「余計に悪化した」と来院される方がいらっしゃいます。
傷病名が違う場合はもちろん、傷病名が同じであってもその時の状態によって温めた方がいいのか冷やすのか?安静が必要なのか運動が必要なのか?・・・など対応は様々です。それをみんなひとくくりにしてしまっては悪化してしまうのも無理ありません。
またひざはスポーツによっても傷めやすい部分ですが、痛みがあり日に日に悪くなっているにもかかわらず不用心に練習を続けている子供たちが多いのも目立ちます。無理を重ねた結果、修復が難しい組織まで傷め練習を長期にわたり練習を休むことになるケースも少なくありません。ひざを痛めてしまっても完全に運動を中止しなければならない場合と、運動を続けながら様子を見ていい場合とがあります。
しかし運動を続けるにしても今までと同じように続けたのでは根本的な解決にはなりません。練習の量や質を調節したり、患部を保護するサポーターやテーピングをしたり、練習後のケアに気を配る必要があります。全てはご紹介できませんがひざの疾患で多くみられるものに次のようなものがあります。
変形性膝関節症
ご高齢の方に多く見られます。長い年月曲げ伸ばしを繰り返してきたひざ関節の軟骨がすり減ってくることによって起こります。初期の症状はこわばり、違和感、動きはじめのかすかな痛みなどです。しだいに階段の昇り降り(特に降り)での痛み、しゃがむ動作や正座ができないなど日常生活に支障が出てきます。
内(外)側側副靱帯損傷(ひざ関節捻挫)
ひざ関節を捻って内(外)側の靱帯を伸ばしてしまったり切ってしまうケガです。靱帯は関節を安定させるスジです。傷つけると痛いのはもちろんですが、関節の安定性が失われ二次的なケガや将来的に変形性膝関節症になりやすくなってしまいます。
ジャンパー膝
ジャンプやランニングなどを激しくくり返すことで、お皿の下にある膝蓋靱帯という部分やお皿の上の腱に負担を蓄積させ傷めてしまうものです。初期症状は練習後の違和感や痛みです。進行すると練習中に痛み出します。さらに進行すると日常生活中にも痛みが出てきてしまいます。
こうなると月単位で練習を中止せざるをえません。初期症状の時点で異変に気づくよう普段から注意が必要です。